前回は強制再起動するための概要を説明しました。次からは詳細の説明に入っていきます。
まずは電気回路の詳細検討に入っていきます。
前回内容・まとめページ
1.使用機器の調査
『ラズパイ』を使って『マザーボード電源SW』を起こします。
それぞれのスペックを知らなければ接続回路が組めませんのでまず調べます。
![](https://stshjblg.com/wp-content/uploads/2022/05/5a8a25004b54e16356d1b36f33798791-2-1024x676.png)
①Raspberry Pi
電源ON/OFFにする信号ですが、ラズパイのGPIOを使います。
GPIOというのは、汎用入出力を意味します。
ラズパイのGPIOの説明は以下のページを参照してください。
![](https://stshjblg.com/wp-content/uploads/cocoon-resources/blog-card-cache/93f6bdac75b865189d87821eda55486d.jpg)
![](https://stshjblg.com/wp-content/uploads/cocoon-resources/blog-card-cache/df91916adcacadbbf7e773a4095027b6.png)
回路作成で特に重要なのは、電圧と許容電流です。上記ページを参照すると以下の特性を持つようです。
- 5V電源ピン:許容電流 700-1000mA
- 3.3V電源ピン:許容電流 50mA
- GPIOピン(出力):3.3V 各ピン16mA(ピン合計50mA)
- GPIOピン(入力):3.3V 各ピン0.5mA
②マザーボード電源SW
マザーボードは測定してみると以下の通りでした。
![](https://stshjblg.com/wp-content/uploads/2022/05/image.png)
電圧は3.3V、タクトSW短絡時の電流は1mA未満です。
電流は忘れてしまいました。。。μA単位だったのは確かです。
2.回路設計
回路の設計は以下の通りにしました。
![](https://stshjblg.com/wp-content/uploads/2022/05/image-2-1024x622.png)
PC:フォトカプラ R:抵抗 Q:トランジスタ 5V:ラズパイ5Vピン
GND:ラズパイGND ラズパイDO:GPIOのデジタル出力
使い方としては図に記載している通り、
①ラズパイDO1で3.3V出力
②Q1のゲートに電圧が掛かるので、5Vの回路に電流が流れフォトカプラ内部のLEDが点灯
③LED点灯すると、マザーボード(RIG1)のSWが短絡する
※DO2に3.3V出力した場合も同様にRIG2が短絡します。
という回路構成になってます。
私はマザーボード2枚使っているので、回路を二つ作成しております。
またフォトカプラに流す電流を5V電源から取得している理由は、フォトカプラのLEDにある程度電流を流す必要があり、GPIOから直接とると最大16mAなので少し不安だったためです。トランジスタのゲートに電圧をかけて、フォトカプラに電流が流れるようにしました。
トランジスタのことよく知らない方は以下を参照してみてください。
![](https://stshjblg.com/wp-content/uploads/cocoon-resources/blog-card-cache/ebf9db393cdeb826a653c19796cea0dd.jpg)
また、今回の回路は以下フリーソフトを使わせて頂きました。とても便利で感謝です。
3.部品選定・購入
部品は秋月電子で購入しました。色々揃ってて便利ですね。
■フォトカプラ
フォトカプラはTOSHIBA製 TLP222A-2を選びました。トリガ:3mA 許容電流:50mA なので入力電流は10mAくらいで十分かと思います。私の場合2回路必要なので8ピンタイプの物を採用。
実際のところ今回使用する電流値が低いので、どんなフォトカプラでも大体使えると思います。。。
■トランジスタ
2SC1815を採用してます。理由は使っている人が多かったからです(汗)。ラズパイで使用している参考のURLも貼っておきます。マネできるところは真似しましょう。
![](https://stshjblg.com/wp-content/uploads/cocoon-resources/blog-card-cache/93f324f2b4f0e986a0740e10526b3933.png)
■抵抗
フォトカプラ用:510Ω(電流10mA 目標)
トランジスタ・ラズパイ用:4.7kΩ(電流0.5mA 目標)
抵抗の決め方は
まず、フォトカプラに電流をどのくらい流すかを決めて、フォトカプラ側の抵抗R1を決めます。
その後、トランジスタにどのくらい電流を流すかで抵抗R2を決めます。
フォトカプラですが、TLP222A-2 の内部LEDには3mA以上必要で50mAまで耐えれます。
余裕をもって約10mAとしました。抵抗R1はオームの法則から510Ωとしてます。
トランジスタ側の電流は増幅率から決めます。
2SC1815 は増幅率がおおよそ100程度です。フォトカプラには10mA流したいので、1/100倍の0.1mA以上流せばOKです。とは言え流し過ぎもNGです。ラズパイに大きな電流が流れてしまいます。
小さすぎず、大きすぎず、余裕をもって約0.5mAとなるように抵抗値を4.6kΩと設定します。ラズパイも全然問題無いですね。
また、抵抗には電力容量がパラメータとしてあるのですが、今回は微小電流なので気にしなくても良いです。
■その他
ブレッドボードとかジャンパー線があると便利です。
私は以下のブレッドボード買いましたが、小さすぎてギリギリになりました。
4.回路完成状態
完成した回路はこちら。ブレッドボードは横の行同士は接続されていますので、黄色破線で接続状態を示しておきます。
※トランジスタの『コレクタ』『エミッタ』『ゲート』の接続間違いには気を付けてください!私は細心の注意を払って接続ミスをしました。。。
![](https://stshjblg.com/wp-content/uploads/2022/05/image-3.png)
『ラズパイ』と『マザーボード』はジャンパー線等で接続すればOKです。
私は電線をジャンパー線に半田付けして、メスピンコネクタを取り付けました。
今使ってるタクトSWの電線を切断して、ジャンパー線に取り付けするのが一番早いかと思います。
以上。電気回路編終わります。
次はラズパイのセットアップを説明します。
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