金利と株価の理論式をグラフ化してみる

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皆さんネイピア数をご存じでしょうか?高校の頃、『対数:Log』と一緒に勉強する『e』ってやつです。

このeは定数で2.71828…..という値、例えば年利100%で1年間に無限回数の複利配当をもらった時の合計金額になります。連続複利計算式から生まれた定数です。そこから生まれた定数が、数学の基礎として扱われるなんて、、、考えた人は天才ですね。高校受験以降使った覚えはないですが。

ここから本題ですが、タイトルにある株価の理論式というのも、無限年(永年)で計算しているみたいです。ネイピア数は無限回なので少し違いますが、、、考えは似ているので面白そうと思い、少し調べてみました。

ちなみに、ネイピア数について、詳しくは以下の動画で解説してます。面白かったので掲載します。

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株価の理論式

以下の動画とサイトを参考にすると、将来を含む理論株価の数式については以下のように考えられるようです。

$$理論株価 = BPS + \frac{EPS}{r-g}$$

r:割引率(%), g:成長率(%), BPS:1株当たりの資産, EPS:1株当たりの純利益

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分母の割引率rに金利を含んでいます。

金利 大⇒r 大⇒分母 大⇒EPS/(r-g) 小⇒ 株価減少 となります。

このrは国債の長期金利だけじゃなくて、資本比率やリスク等様々な考慮が必要そうですのであくまで『指標』ということになりそうです。

ただ、この数式について、動画の方はこの数式は『一例』と仰ってます。どゆこと?じゃあなんで理論式なんてあるの?と思いもう少し深堀しました。

企業が永久に続くことが前提

$$\frac{EPS}{r-g}$$

この項については、上述した動画の方も、サイトでも紹介されていますので詳細割愛しますが、以下の数式でも表現できます。

$$\frac{EPS}{r-g} = EPS \{\frac{1}{1+r} + \frac{(1+g)}{(1+r)^2} + …. + \frac{(1+g)^{n-1}}{(1+r)^n}\}$$

実際には右式が本質でして、第1項が『1年後の期待利益』、第2項が『2年後の期待利益』、そして第n項が『n年後の期待利益』になります。

そして、左式はEPS、割引率r、成長率gを決めれば定数化できます。右式を定数化しようとしたら分母の次数が高いので、n→∞に飛ばします。

つまり、この理論式は無限に企業が存続する場合の式です。動画の方が仰ってたのはこのことで、10年とか20年とか見る方法もあると仰ってました。

理論式の数値を可視化してみる

まず、永久に企業が続くことはありえるのでしょうか。というのも100年続く企業も日本では3%以下です。

仮に100年続かなかったとしても、10年、20年とかで上記理論式が収束するならまだ活用できるかもしれないですね。

という事で、何年で収束するか見てみることにしました。

やり方は以下式の黄色塗りつぶし式の割引率rと成長率gを仮定して、n年後にどのような値になるかを見てみます。

この塗りつぶした場所はおそらくPERとも言えそうです。数式的にそうなるはずです。

以下の成長率、割引率をグラフします。値は適当です。モデルの挙動をみるためにとりあえず当てはめてます。

  • 成長率g: 1%, 4%, 10%
  • 割引率r: 5%, 8%, 10%, 15%
  • 年数は最大100年

成長率1%のグラフで割引率15%だと、20年付近で漸近線に近いですね。20年くらいで収束する条件は確かにありました。

しかし、一部では収束しないパターンもあるので、EPS/(r-g) という理論式は使える場所が限定的となりそうですね。成長率g<<割引率rが高い時には機能しそうです。

考察

グラフからは以下の傾向があると言えます。

  1. 成長率<<割引率 早く収束しやすい→株価の予測しやすい、安定した株価
  2. 成長率→割引率に近づく(成長率<割引率) 収束しにくい→短期的にみると割高
  3. 成長率≧割引率 収束しない・発散→爆発的な株価の向上

但し、この数式自体使うのはすごい難しいと思うんですよね。特に割引率rが専門的でむずいっす。。。素人では無理かと。

なので今回1~3の傾向からこの理論式については以下のことだけ言って締めようと思います。

  • 金利が高いと株価が上昇しずらいが目標株価は定まりやすい
  • 低金利化すると、正確な理論株価を決めるのは難しい
  • 低金利化した時は、成長率が高い企業の株価は非常に高くなる

コロナ禍の低金利期に株価が劇的に上昇したグロース株もこの類に入るんじゃないでしょうか。

最後に身も蓋もないですが、、、

実際には、株価は理論とかじゃなくて、市場が決めてしまうんでなんとも言えないんですよね。

今回の理論式にもあるように、年数によってPER全然変わりますよね。そしてEPSが一定ならPERと株価は比例します。この年数・PERを決めるのは、それぞれのファンド・投資家の考えになり、人によって目標株価が変わってきてしまいます。

考え方は人それぞれなのであくまでご参考にということでお願いします。

とはいえ、折角グラフ化したので見ていってもらえればと思います。

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