私は自転車で通勤しているのですが、7年間使っているせいか、チェーンがやたら外れるしパンクもよくするようになったので買い替えました。
購入にあたり調べていくうちに、どうやら自転車を使う環境によって自転車のタイヤの大きさというのが運転や漕ぐ力に影響することがわかりました。
今回は、その内容について記述しようと思います。
使用環境によってタイヤ径を検討すべき
結論から言うと、
タイヤ径が大きい自転車の適した使用環境
- 平坦な道。信号が少ない道路。
- 長距離の運転
タイヤ径が小さい自転車の適した使用環境
- 坂道が多い、段差が多い、信号が多い道路。
- 近距離の運転
以上になります。理由は下に示していきますね。
タイヤの径と発進時に必要な力の関係
発進時に必要な力の関係は
- タイヤ径が大きい ⇒ 発進時に必要な力が大きい
- タイヤ径が小さい ⇒ 発進時に必要な力が小さい
です。
なので、坂道が多い場合や、段差が多い場合、信号などで停止する区間が多い場合は、タイヤ径が小さい方が必要な力が小さくて済みます。
人がペダルを漕ぐ⇒チェーンが後輪に力を伝える⇒タイヤが回る
といった順で力がタイヤに伝わります。チェーンが間に入ってますが、タイヤを回すのに脚力が必要です。当たり前ですが笑
この脚力とタイヤの径にも関係がありまして、回転の運動方程式を見るとわかりやすいです。
$$Iα=T$$
※$I$ は慣性モーメント、$α$ は角加速度(タイヤ回転の加速度)、$T$ はトルク(人の脚力から生じる回転の力)
上記が回転の運動方程式です。慣性モーメントは回転のしやすさを表してて、通常の運動方程式の質量にあたるようなパラメータです。
人の力 $T$ が一定だとすると、慣性モーメントが小さいと角加速度が大きくなることがわかると思います。
また慣性モーメントは、円板の場合 $I=\frac{1}{2} M R^2$ と書けます。
※$M$ は質量、$R$ はタイヤの半径 を示してます。
これを見るとタイヤの径が小さいと慣性モーメントが小さいことがわかりますね。
これらが理由で小径のタイヤだと発進時に加速が大きくなり、楽に発進できます。
実際にリムは円板じゃないですが、イメージするにはこれで十分ですので厳密に述べるのは避けておきます。
タイヤの径と速度維持に必要な力の関係
速度維持に必要な力の関係は
- タイヤ径が大きい ⇒ 速度維持に必要な力は小さい
- タイヤ径が小さい ⇒ 速度維持に必要な力は大きい
です。こちらの場合は先ほどとは逆ですね。
ある程度自転車を漕いだ時の自転車の車輪回転エネルギーは以下の通りです。
$$E=\frac{1}{2} I ω^2$$
※$E$ は回転のエネルギー、 $ω$ は角速度
を示します。同じ速度を運転している時、慣性モーメントが大きいほど、エネルギーが大きくなります。
タイヤ径が大きいとエネルギーが大きいので、速度が落ちにくいんですよね。なので、少ない脚力で速度を維持できます。
逆に小径ですと、速度が落ちやすいので、ある程度の脚力が必要になります。
結論
タイヤ径が大きい自転車の適した使用環境
- 発進時に必要な力が大きい
- 速度維持に必要な力は小さい
⇒長距離運転や、平坦な道路、信号の少ない道が適している。
タイヤ径が小さい自転車の使用環境
- 坂道が多い、段差が多い、信号が多い道路。
- 近距離の運転
⇒近距離運転、坂道が多い、段差が多い、信号が多い道が適している。
径だけを見るとこのような感じですね。
また、タイヤには幅などの影響もあります。幅は一般的に大きくなると、摩擦力が大きくなるので力はさらに必要になります。
自転車選びの参考になればと思います。
以上。
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